弁護士 伊東克宏のブログ

Katsuhiro Ito's Blog

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男女関係にまつわる無理な慰謝料請求

男女関係にまつわる相談や訴訟にも多くかかわってきました。

こちらから慰謝料請求をする場合,弁護士としては

  1. 法律上の請求として成り立つのかどうか
  2. 訴訟になった場合に証拠に基づいて立証できるのかどうか
  3. その請求をした場合の影響(別の請求を受けないか,本人が負担に耐えられるか,家族に影響がないかなど) 

といったことを知識や経験に基づいて判断し,アドバイスをします。

逆に,「こんな慰謝料請求を受けたのですがどうしましょうか?」といった相談も多いです。

その中で,「これは無理だろう」と思った請求について2つご紹介します。

いずれも別の弁護士から請求を受けた方が困って私に依頼され,裁判所で請求を否定されたものですが,内容を一部変えています。

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  • その1 不貞が妻にばれた脇の甘い夫に対し,不貞相手の女性から慰謝料請求? 

Q:不貞をした夫です。不貞をした相手女性の弁護士から請求書が届きました。「山田A子氏は,貴殿が『絶対にばれないようにする』と約束したことから交際を始めたところ,貴殿の過失により貴殿の妻である佐藤B子氏に不貞が発覚し,再三にわたって同氏から追及を受け,多大な精神的苦痛を被ったので,金500万円を支払え。」支払わないといけないのですか?

A:「絶対に」とは言いませんが,裁判でこの請求が認められることはないと思います。

誰が悪いかと言えば,妻B子さんがいるのに,A子さんと騙すようにして交際を始めたこの夫が悪いに決まっています。

ですから,本当は不倫などしたくなかったのにあなたのせいで巻き込まれたという請求者(A子さん)の気持ちもよくわかります。

しかし,裁判所が,不貞に至った際の合意や条件について,それだけを法的に保護しようとすることはほとんどないと思います。

私が経験したケースでも,裁判所が,A子さんの請求を退けています。

ただ,身から出た錆ではありますが,夫の男性も,今後,胸が張れないことで法廷に呼び出されるのは痛手に違いありません。

訴訟対応を迫られる可能性がありますので,この方のように,請求書が届いたら法律相談にいらしてください。

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  • その2 妻が不貞相手の女性に電話をかけ,文句を言ったのは不法行為?

Q:佐藤B子と言います。夫が不貞をしていたことがわかりました。相手は山田A子さんで,連絡先もわかりましたので,自宅に電話をかけて1時間くらい話をしました。そうしたらA子さんの弁護士からこんな請求書が届きました。「○月○日,貴殿が山田A子氏に電話をかけ,長時間にわたって執拗に罵倒し続けた行為は不法行為を構成します。A子氏は多大な精神的苦痛を被ったので金500万円を支払え。」支払わないといけないですか?

A:裁判でこの請求が認められることはほとんど無いと思います。ただし,何をやっても許されるということではなく,頻度,時間,発言内容が常識を逸脱していれば,不法行為を構成し,慰謝料請求が認められることもあると思います。

請求者のA子さんにしてみれば,そもそも夫である男性が悪いのに,どうして私だけがB子さんに長時間罵倒され,責められないといけないのか・・そんな気持ちかもしれません。

しかし,常識的な範囲で,A子さんがB子さんから怒られるのは致し方ないところであり,その範囲であれば,実際にA子さんが精神的苦痛を受けたとしても,それを裁判所が法的に保護することはほとんどないと思います。

もちろん,この後にB子さんの行為が,毎夜毎晩電話をかけて長時間罵倒し続けるとか,A子さんの職場に電話をかけてA子さんの上司に文句を言うなど,エスカレートしてくれば話は別です。

A子さんに開き直られたりすれば,家庭を壊されたB子さんの怒りが爆発するのも当然ですが,許容限度を超えてしまうと,もともと被害者であるはずのB子さんが逮捕されるなどして,かえって不幸な結果を招くこともあります。

当事者どうしが感情的になるのは当然ですから,第三者を交えた解決をおすすめします。

是非法律相談にいらしてください。(最終更新:平成28年11月13日)

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2016年11月13日、カテゴリー:「日々あれこれ」(日記)

弁護士 伊東克宏

弁護士 伊東克宏

相続・離婚を中心とした一般民事事件のほか,会社法務にも対応。弁護士として10年以上のキャリアを有する。

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